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あまんきみこさん講演会「おはなしが生まれるとき」報告

 児童文学作家あまんきみこさんの講演会「おはなしが生まれるとき」が、2012年6月24日(日) 14:00〜開催された。募集人数70名に対し、会場最大収容人数120名に迫る100名を超える聴衆を迎えることになり主催者としてはありがたい悲鳴に駆け回ることになった。

 ■どんな幼少期をおくられたのでしょうか?
  
『車のいろは空のいろ』のあとがきに、祖父母・両親・叔母たちという6人の大人たちに囲まれ、それぞれ眠る前にはお話を聞かせてくれたので、どの人の部屋で今日は寝ようかと迷ったエピソードが紹介されていますが・・・。

 寝物語は面白いと困る。祖父は、偉人伝だったし、母は、自分とそっくりの困った女の子が良い子になる話を聞かせてくれた。子どもには平衡感覚があるのか、どの人が面白いから、どの人の話を聞きたいという思いはなく、まんべんなく6人の部屋を訪れていたと思う。
 物語の子守唄だったと思う。体を成さない寝物語は、その人のぬくもりの中で、その人の声で聞くことに意味があったのだと思う。

 ■子どもの時は、どんな本がお好きでしたか?
 
 宮沢賢治。
 その他には謡本。父の所蔵の高価な和紙の謡曲の本を読んだ。難しかったけれど、声を出して読めば「解る」という経験をした。
 病弱な自分にとって、窓に切り取られた空は最高の「絵本」だった。最初の作品は、『車のいろは空のいろ』の「くましんし」だが、はじめは、外の景色が映る位ピカピカの黒い車だった。しかし、後に空のいろになる。そのほかにも、舞台として空を選んでいる作品も多い。

 
■終戦の時、あまんさんは14歳、多感な時期、戦争と終戦をどのように過ごされたのか?
 『ちいちゃんのかげおくり』は、あまんさんの紛れもない代表作であるが、作品としての完成度の高さからか「戦争経験者の作品」として論じられることは少ない。古田足日さん編集のおはなしのピースウォークに収録されている『空はつながっている』は、あまんさんには珍しく、満州から引き上げてくる人々に配られた青酸カリのことなどが題材になっており、直接的な物語になっているが・・・。

 目隠しを取られ、ぐるぐる回るような思いで迎えた終戦。
 テレビドラマでは、終戦のキーワードとして、青い空と、空襲がなくなったことでの夜の灯りが描かれることが多い。青い空は同感だが、終戦後は、夜の灯りはすぐにはともせなかった。満州は真っ暗で、第二の怖さ・・・ソ連兵に家に踏み込まれる経験。しかし、子どもであった自分は、怖くはなかったとも言えるのかもしれない。親が側にいたから。保護者の力を信じているのが子どもかもしれない。
 戦争中、満州の人とは分離した場所で暮らしていた。子どもだった自分には、中国の人のことを慮ることができなかった。自分たちは、日向の場所を歩いていた。そして、そのせいで日陰を作っていることに気付かなかった。
 私は、そのツケを払っていない。私と戦争は切り離せないものとして、一生のテーマである。

 ■おかあさんのことについて
 
あまんさん始めてのエッセイ集『空の絵本』の中で、おかあさんとのエピソードが多く紹介されている。あまんさんの作品には、温かなお母さんとの心のやり取りが多く描かれており、実際にもそういう濃密な時間を過ごされたのだろうと想像していた。43歳という若さでお母さんは亡くなられたということ。早くにお母さんを亡くされていたことは意外な思いで読んだ。

 お母さんが大好きだったというご主人との結婚。
 私はお母さんの好きな人と結婚したのよとあまんさんはおっしゃった。そして、婚約が整い、その披露の夜、家庭についての心得など多くのことをあまんさんと語り、ガンを患っていたお母さんは意識不明になり亡くなったというエピソードをあかされた。

 死者は生者の中に生きる。
 私の中に母がいる。
 私が生きていることで、母が生きて行く。
 生きているということは、たくさんの死者を大切にすることでもある。

 ■お願い あまんさんのお声で『おかあさんの目』を読んでほしい

 あまんさんのゆったりとした優しい声で聞く「おかあさんの目」
 会場には、感動に涙する方々が多かった。

 ■質問コーナーで印象に残ったあまんさんの言葉

 書いた文字に弁解はいらない 与田準一さんの言葉 自分の創作指針

 光を歩いている時は陰のことを考えて
 出口のない時には、世の中には光がある、いつか世はあけることを信じてほしい。

 『ちいちゃんのかげおくり』について
 自分の中では、ちいちゃんは、「かげおくり」がつなぐ女三代の物語の真ん中に位置するはずの女の子だった。
 おばあさん は なみこさん おかあさん は ちいちゃん 子どもは せんこちゃん
 一年間くらい、ずっと考えたけれど、ちいちゃんは、生きて母になることはなく、死んでしまった。未来を奪うのが戦争なのだ・・・そう、考えている。

 私は、自分の描きたい世界をずっと思っている。それは、物語に恋をしているような気持ち。どんな画家さんと仕事がしたいとかいう思いはなく、自分の描きたい世界を書くだけだ。
 今、書きたいものは、竹林の光と風。たけのこが伸びるとき、親竹が枯れる。「竹の秋」は、春の季語・・・。

 
 
  
| 季節風びわこ道場 2012 夏の風 | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) |

あまんきみこさん講演会「おはなしが生まれるとき」

 

 季節風びわこ道場 夏の風 のお知らせです!

      あまんきみこさん講演会
          「おはなしが生まれるとき」
 
   2012年6月24日 14:00〜15:30 
   多賀町図書館 2F 大会議室 入場無料
 

 
  興味のある方は、右手【LINKS】より、ご連絡下さい!

     

| 季節風びわこ道場 2012 夏の風 | 15:22 | comments(0) | trackbacks(0) |

季節風びわこ道場 2012 夏の風 予告!

 2012年度 季節風びわこ道場
 の講演会が下記の日程にて行われることになりました。

 2012年6月24日(日) 14:00〜
 ゲストは、児童文学作家のあまんきみこさんです。

 詳しいことが決定し次第、ご案内いたしますが、ご興味のある方は、ご予定いただけましたらうれしく思います。

 会場は、多賀町立図書館(滋賀県)です。
| 季節風びわこ道場 2012 夏の風 | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |

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